きのこの食用の歴史
キノコは菌糸体と呼ばれる菌類が作り出す子実体のことです。キノコの本来の役割は菌糸体が繁栄するための胞子(種子)を作ることです。子実体のうちある程度の大きさに成長すると、キノコとして食されるようになります。

しかしキノコのうち、食用として利用できるのは非常にわずかな種類に限られます。ある統計では子実体の1割以下しか食べられないともされています。しかしキノコは、料理以外にも医薬用や宗教目的で使用されることがあり、その使い道は様々です。
食用キノコの歴史がいつから始まったのかは定かではありません。確かな証拠があるケースとしては、2千数百年前に中国で食用としていた記録があります。ローマ人やギリシャ人もキノコを食していたことが分かっています。
つまり人類がキノコを食べることには数千年の歴史があると言えます。日本においては縄文時代の遺跡からきのこの形をした土製の製品が発掘されています。そのため日本においても2千年近い歴史があると思われます。ただしこの頃に生産をしていたかどうかは定かではありません。
食用キノコの生産の始まり
日本においてキノコが人工栽培されるようになったのは日本の戦国時代の頃という意見があります。ただしこれには確実な証拠はありません。一方ヨーロッパではその頃すでにマッシュルームが人工栽培されていました。
そのため、生産は数百年間の歴史があると見られています。現代ではおおよそ20種類ほどのキノコが大々的に生産されています。主要な生産国としては中国とアメリカとオランダとフランスとポーランドがあげられます。
このうち最も多く生産しているのは中国です。スーパーなどでシイタケを購入する際には中国産のものが目立ちますが、日本のキノコの食用は中国と深い関係があります。
どんなキノコが食用にされているの?
有名な食用キノコとしては、シイタケ、まいたけ、しめじ、えのき、なめこ、エリンギ、ヒラタケ、マツタケ、マッシュルームなどがあげられます。しかし他にもアンズタケやヤマドリタケ、ショウゲンジ、シャグマアミガサタケなどマイナーなキノコがあります。
今後キノコの栄養や健康効果について研究が進められるにつれ、ますます食卓で重宝されるようになるでしょう。ただしキノコには毒を持つものもあるため、山などを散策した際などに、確かな知識の無いままに拾って調理することは避けましょう。


